新作映画情報

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#4 声優:小山力也

2015年12月某日。全3バージョンの番宣CM収録のためにスタジオ入りした小山力也さん。力強く渋い声からセクシーボイスまで多彩な演技を披露。インタビューでは吹替に対する熱い思いを語っていただきました!

ジョージ・クルーニーを演じるなんて昔は一生懸命背伸びしていました。

── 今回放送する『ポンペイ』、「不良探偵ジャック・アイリッシュ」シリーズ、『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』の中で印象に残っている作品やおすすめの作品は?

それぞれ素晴らしい作品です。完成品がある吹替の仕事は、どれだけその作品を傷つけずにできるかが勝負です。かつ俳優たちにどこかちょっとでも勝てれば最高だなと思います。
一番リハーサルに時間がかかる吹替が一番心に残りますね。

『ポンペイ』は大自然が町を一瞬にしてつぶしてしまうというスペクタクルが迫力満点で映像技術が魅力ですし、俳優も見事です。

昔、あるテレビ局のプロデューサーの方が「野球嫌いのお父さんが家に帰って途中から観ても面白いコンテンツとしての映画」と表現していらしたんですけど、「不良探偵ジャック・アイリッシュ」シリーズはそれに近いですね。アクションがあったり、綺麗なお姉さんが出てきて「おっ」と思ったり、細かいことはわからなくてもエンターテイメントとして面白いですね。

『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』は政治ドラマです。普段から社会的発言をしているクルーニー自身が監督をし、権力の悪をはっきりと描いたのは勇気ある行動だと思います。

── 『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』はジョージ・クルーニーが監督・出演ですが、演じる上で変わった部分もありましたか?

昔はジョージ・クルーニーを演じるために一生懸命背伸びしていましたが、自分が四十、五十になり、「人生でいろんなことがあったな」と思うようになって、肩肘はらずに芝居を見られるようになったし、落ち着いてできるようになったなと思います。

クルーニー自身が二枚目をあえて拒否して、社会派ドラマをやったり、太ったり、汚い役をやったりして、世界的な娯楽作品を「こんなものは僕のキャリアにはいらない」と言ったときは「あれ、どうした?」と思いましたけど。でも監督をしたり、自分のギャラを削って人を集めたり、求心力を持って俳優として人間として成長しているのが見えると、僕は万分の一ですけど、ものの見方が変わってきます。とても嬉しいことです。

「デンゼル・ワシントンがなんぼのもんじゃあ」?

── 今まで吹替をされてきた中で、一番印象に残っているセリフやキャラクターなどは?

ありがたいことにいっぱいあります。『身代金』では、まさかメル・ギブソンを自分がやると思わなかったですし、『シュリ』ではハン・ソッキュでしたがすごく集中できて、めったに無いんですけど一発もNGがなかったんですよ。
デンゼル・ワシントンは10作ほどやっていて、軍人や刑事の役が多いけどそれぞれちゃんと違うんですよね。彼の観察眼の鋭さや構築の緻密さは「さすがだな」と思いますし、こういった俳優さんをやれると嬉しいですね。
『悪魔を憐れむ歌』というスリラー作品では、デンゼル・ワシントンのナレーションがあるんですけど、映像に口がないので僕はイヤホンを外していたんですよ。そしたらそのあとに谷口節さんが声をかけてくれて、「今日は力也がイヤホン外してたんだよ。デンゼル・ワシントンがなんぼのもんじゃあ!」って。「いや、そんなつもりないんですけど」って言ったんですけどね(笑)。でも、「あれで気合が入った」とおっしゃってくださって、嬉しかったです。

── 善と悪どちらのキャラクターの方がやりやすいと思いますか。

善い役でも悪い役でもパターン化はやめて、「本当にこんなイイ奴かな」「なんでそこまでやってしまうのかな」と考えます。「私だったらこんなこと言わない」なんていうのは本当に愚かなことで「そう言えるように自分がならなくてはならないんだよ」と思います。

── 最近のCSやBSでは、異なる声優が演じた様々なバージョンの吹替映画を放送しています。小山さんも、往年の名作を新たに吹替えた作品がありますよね?

自分がよちよち歩きをしていた頃の作品をやらせていただくなんて、本当にありがたいことです。『ダイ・ハード』とか、年代を超えて新旧たくさんの吹替バージョンのパッケージができたら、楽しいと思いますね。

明夫さんも藤原くんも、それぞれ魅力があるから意識してしまう

── どういった声優さんに憧れていましたか?

演劇を志した頃に観た舞台に津嘉山(正種)さんが出ていらして、なんてかっこいいんだろうと思いました。津嘉山さんの深夜のNHKのナレーションを聞いたり、吹替を何度も観たりしましたね。『ボディガード』があんなに流行ったのは、津嘉山さんがやったからだと思いますね。
オードリー・ヘップバーンの(池田)昌子さんもそうですね。昌子さんの声が無ければヘップバーンじゃないと思えるくらいです。

── 良きライバルはいらっしゃいますか?

ライバルとは言えないですけど、『ザ・ロック』でニコラス・ケイジをやらせてもらったときに、DVDでは(大塚)明夫さんがやっていたのですが、「頼むよ、力也。しっかりやれよ」と言ってくれたんです。そんなふうに言えるような太っ腹になりたいと思いますね。明夫さんも藤原(啓治)くんも森川(智之)くんも、同年代で長年一線で活躍する人は、それぞれ魅力があり意識してしまいます。「あいつがやっているなら、俺だって!」と思います。

── 最後に、視聴者の方々に向けてメッセージをお願いします。

吹替を愛してくださって本当にありがとうございます。地上波で吹替映画が観られない時代かもしれませんが、ムービープラスの「吹替王国」のように新しい楽しみ方ができるようになっています。僕なんかまだまだ下っ端ですけど、その席に自分も入れていただいていることが本当に幸せですし、それを誇りに思ってこれからもやっていきたいと思います。素晴らしい映画に良い吹替が乗ると、もっと魅力がでるということを伝えていきたいと思っています。これからも吹替をよろしくお願いします。

次回予告
4月は山路和弘さんの吹替作品を特集します!
ジェイソン・ステイサム、アル・パチーノなどで有名な山路和弘さんの吹替え作品が登場。ぜひご期待ください。

作品詳細

『ポンペイ』【日本語吹替版】

2月27日 18:45放送

西暦79年に壊滅した古代都市ポンペイ。ポール・W・S・アンダーソン監督・脚本。大噴火が迫る街を舞台に奴隷戦士の愛と勇気を描く歴史アクション。

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『不良探偵ジャック・アイリッシュ 死者からの依頼』【日本語吹替版】

2月27日 11:15放送

ガイ・ピアースが酒と女好きの不良探偵に扮するサスペンスアクション第1弾。元依頼人の不審死を調べ始めた探偵が、国家的陰謀に巻き込まれてゆく。

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『不良探偵ジャック・アイリッシュ 2人の父への鎮魂歌』【日本語吹替版】

2月27日 13:15放送

ガイ・ピアースがちょい悪探偵を演じる、サスペンスアクション第2弾。行方不明の父の友人の息子を捜す探偵が、麻薬絡みの事件に巻き込まれてゆく。

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『不良探偵ジャック・アイリッシュ 3度目の絶体絶命』【日本語吹替版】

2月27日 15:00放送

1冊の本が警察組織の暗部を暴き出す!ガイ・ピアース主演。謎めいた本を巡り、不良探偵の決死の活躍を描いたサスペンスアクション第3弾。

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プロフィール

小山力也(こやまりきや)

12月18日、京都府生まれ。海外ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」ジャック・バウアーや、「名探偵コナン」毛利小五郎などで知られる俳優・声優。2011年の声優アワードでは「その年最も声優という職業を世の中に浸透させた功労者」に贈られる富山敬賞を受賞。