TV FESTIVAL DE CANNES|日本オフィシャル・ブロードキャスター|カンヌ映画祭スペシャル2015

5.24[sun]第68回カンヌ映画祭受賞結果発表!
コラム「映画の処方箋」
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2015/06/05 UP

『日本独占!第68回カンヌ映画祭授賞式ライブ(再)』
フランス圧勝、イタリア無冠の釈然としない幕切れ

5月24日夜7時(現地時間)から始まった授賞式、今年は日本人ダンス・グループやジョン・C・ライリーのパフォーマンスでショーアップ。さすが有料テレビ局カナル・プリュスの創設者ピエール・レスキュールが新プレジデントになっただけあると感心していたら、受賞結果は意外の連続、最後に審査員長のコーエン兄弟がパルム・ドールを「ディーパン」と発表すると、プレス席で大きなブーイングが起こった。

ジャック・オディアールに四度目の正直でパルム・ドールをもたらした『ディーパン(原題)』は、スリランカ内戦で反政府ゲリラとして闘った男が主人公。内戦終結後、身分を偽り、偽の家族を連れてフランスに逃亡し、郊外の荒れた団地の管理人になるが、ギャングの抗争に巻き込まれ、家族を守るために再び闘うことになる。

未知の領域に入れられて才能を発揮する男というのは2009年にグランプリを受賞した傑作『預言者』と同じ構造だが、作品の出来は遙かに劣る。にもかかわらず、パルム・ドールを受賞したのは、社会問題化している不法移民を扱ったことが評価を上げたと言われた。………《 続きを読む

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2015/05/22 UP

『愛、アムール』
ミヒャエル・ハネケが描く究極の愛とは何か?

『愛、アムール』は2012年のカンヌ映画祭で監督のミヒャエル・ハネケに見事2つめのパルム・ドールをもたらした名作である。

ストーリーはシンプルだ。引退した音楽教師ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は、娘エヴァ(イザベル・ユペール)もうらやむ仲むつまじい夫婦だ。ところが、教え子の演奏会を二人で聴きに行った夜、アンヌに異変が起こる。血栓を取る手術は失敗、半身不随になって退院したアンヌは、何があっても二度と病院に戻さないとジョルジュに約束させ、こうして二人だけの介護生活が始まる。が、アンヌの状態は次第に悪化していき、ジョルジュの手に負えなくなっていく…。

ミヒャエル・ハネケは1997年にカンヌのコンペに初登場した『ファニーゲーム』の暴力描写で度肝を抜いた人である。以来、人間の醜さ、不可解さをテーマに次々に作品を発表。2009年に、封建制度の崩壊後、全体主義に向かう時代の暗さを描いた『白いリボン』で念願のパルム・ドールを受賞した。その彼が、そのものずばりの“愛”というタイトルで映画を撮ったのには正直びっくりした。が、案の定、出来上がった作品はピリピリするような辛さと苦さに満ちた、一筋縄ではいかない“愛”の映画だった。………《 続きを読む

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2015/05/08 UP

『日本独占!第68回カンヌ映画祭授賞式ライブ』
今年のパルム・ドールの行方は?

コンペ部門のラインアップが発表になった途端に批判の嵐が巻き起こった今年のカンヌ。最も問題にされたのはフランス映画の多さだ。今までは多くても4本だったのだから、今年の5本というのは前代未聞。しかもオープニングとクロージングもフランス映画なので、まさに“フランスがいっぱい”の年となった。

では、コーエン兄弟が審査委員長を務めるコンペ部門の出品作から、今年のパルム・ドールの行方を占ってみよう。
まずは問題のフランス映画5本の内訳は、そろそろパルムを獲っても不思議ではないジャック・オディアールの『ディーパン(仮題)』、『母の身終い』に続いてヴァンサン・ランドンと組んだステファヌ・ブリゼの社会派フィルム・ノワール『市場の法(原題)』、“フランス映画の顔” ジェラール・ドパルデューとイザベル・ユペールが夫婦を演じるギョーム・ニクルーの『ヴァレー・オブ・ラヴ(原題)』、それに2人の女優兼監督、マイウェンの『私の王様(原題)』とヴァレリー・ドンゼッリの『マルグリットとジュリアン(原題)』という恋愛映画が2本加わる。ただ、本数が多いということは、それだけ抜きんでて強い作品がなかったということでもあり、私はフランス映画にパルム・ドールは行かないと予想する。………《 続きを読む

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2015/04/24 UP

『華麗なるギャツビー(2013年)』
誰もが知る世紀の名作を華麗に映画化

『華麗なるギャツビー(2013年)』は2013年のカンヌ映画祭のオープニング作品で、監督は『オーストラリア』や『ムーラン・ルージュ』などの華麗な映像テクニックで知られるオーストラリア人バズ・ラーマン。原作はF・スコット・フィッツジェラルドが1925年に発表した<グレート・ギャツビー>で、アメリカ文学を代表する名作であり、発表直後の1926年に初映画化されて以来、テレビ版を含めて5度も映画化されているほど人気のある小説である。

舞台は1920年代。ニック・キャラウェイ(トビー・マグワイア)は名門イェール大学を卒業し、第一次大戦に従軍した後、故郷の中西部の町を出てニューヨークの証券会社に就職した。通勤のために借りたロングアイランドの家の隣には、ギャツビーという成り上がり者の大邸宅があって、夜ごとに豪華なパーティが開かれていた。ニックの家はウェストエッグと呼ばれる地域で、入り江を挟んだ対岸に昔から富裕な階級の住むイーストエッグがあり、遠縁の娘デイジー(ギャリー・マリガン)と夫のトム・ブキャナン(ジョエル・エドガートン)の屋敷があった。トムはシカゴの富豪の息子で、ニックとはイェール大学の同窓だった。ある日、ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)からパーティの招待状が来て、隣家に出かけて行ったニックは、思いがけなくもギャツビーの正体と、彼がなぜここに邸宅を構え、パーティを開いているのか、そして彼が5年前から秘かに温めていた純愛の対象を知ってしまう…。 ………《 続きを読む

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2015/02/13 UP

『地上(ここ)より永遠(とわ)に』
60年前にアカデミー賞8部門を制した名作は今でも新しい

アカデミー賞月間ともいえる今月は、過去の受賞作を見て、賞の変遷について考えてみるのも面白いだろう。それに最適な1本が、フレッド・ジンネマンの『地上(ここ)より永遠(とわ)に』で、1953年に作品賞・監督賞を始めとする8部門を受賞した。もちろんその年の最多受賞作だ。

舞台は真珠湾攻撃前夜のハワイ。まだ戦争の影もない1941年の秋、オアフ島のスコフィールド兵舎のG中隊にプルーウィット二等兵(モンゴメリー・クリフト)が転属してくる。中隊長のホームズ大尉(フィリップ・オーバー)はボクシングの対抗試合に勝って名声を得ることに熱心で、さっそくミドル級のチャンピオンだったプルーを自分のチームに勧誘するが、前年、スパーリング中に誤って親友を失明させた彼は二度とボクシングをしないと申し出を断り、隊の下士官たちから陰湿なイジメを受けるはめになる。一方、大尉から中隊の仕事をすべて任されているウォーデン一等曹長(バート・ランカスター)は優れた下士官でありながら、大尉の妻カレン(デボラ・カー)と道ならぬ恋に落ちてしまう。隊内で孤立するプルーの友人は元の隊で一緒だったマジオ(フランク・シナトラ)だけだったが、マジオはデブという仇名の軍曹(アーネスト・ボーグナイン)といざこざを起こし、瀕死の重傷を負う………《 続きを読む

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