2018カンヌ映画祭受賞結果

『万引き家族』是枝裕和監督

原 題
万引き家族
製作国
日本
監 督
是枝裕和
出 演
リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
公開日
2018/6/8(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

©2018『万引き家族』 製作委員会

解 説
血よりも濃い絆で結びついた疑似家族を通して、現在の日本の家族の在り方を問う是枝裕和の問題作。平然と万引きを繰り返す父にリリー・フランキー、母に安藤サクラ。母の妹に松岡茉優、祖母に樹木希林。是枝は62年生まれ。95年に長編デビュー作『幻の光』をヴェネツィア映画祭に出品して注目された。カンヌ初登場は01年の『ディスタンス』から。04年『誰も知らない』で男優賞(柳楽優弥)、13年『そして父になる』で審査員賞受賞。『万引き家族』は、15年の『海街diary』以来、3年ぶり5度目のコンペ出品作。

『ブラッククランスマン(原題)』スパイク・リー監督

原 題
BLACKKKLANSMAN
製作国
-
監 督
スパイク・リー
出 演
アダム・ドライヴァー、トファー・グレイス、ジョン・デヴィッド・ワシントン
解 説
スパイク・リーは57年ジョージア州アトランタ生まれ、ニューヨークのブルックリン育ち。アトランタの大学とニューヨーク大学映画科で学び、卒業制作の初の長編『ジョーズ・バーバー・ショップ』が学生アカデミー賞で大賞受賞。2作目の『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』がスマッシュヒットし、そのときの収益を元に自身の製作会社を立ち上げ、以後のすべての製作活動の拠点としている。89年『ドゥ・ザ・ライト・シング』でカンヌのコンペ初登場、91年『ジャングル・フィーバー』でサミュエル・L・ジャクソンが助演賞を受賞し、俳優としてブレイクするきっかけを作った。『ブラッククランスマン(原題)』は、白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クランに黒人警察官が潜入するという社会派スリラーで、デンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン主演。スパイク・リーが29年ぶりのコンペ出品でパルムを狙う。

パヴェウ・パヴリコフスキ監督『冷戦(原題)』

原 題
ZIMNA WOJNA
製作国
-
監 督
パヴェウ・パヴリコフスキ
出 演
ヨアンナ・クーリグ
解 説
冷戦下、生まれも育ちもまったく違う完全にミスマッチな男女の運命的な恋愛を50年代のポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリを舞台に描く。パヴェウ・パヴリコフスキは54年ポーランドのワルシャワ生まれ。イギリスのオックスフォード大学で学び、イギリスのテレビ界でドキュメンタリー監督となり、現在もイギリスを拠点に活躍している映画監督。ポーランドに帰って撮った『イーダ』でアカデミー外国語映画賞を受賞した。『冷戦』はパヴリコフスキにとってカンヌ初出品作。主演は『イーダ』で歌手の役を演じたヨアンナ・クーリグ。モノクローム作品。

Samal YESLYAMOVA『アイカ(原題)』

原 題
AYKA
製作国
-
監 督
セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ
出 演
Samal YESLYAMOVA
解 説
ドヴォルツェヴォイは62年カザフスタン生まれ。元は航空技師として働いていたが、90年代にモスクワ映画大学で映画を学び、95年にドキュメンタリー短編『幸福』で監督デビュー。その後ドキュメンタリー作家として活躍していたが、08年に初の劇映画『トルパン』がカンヌ映画祭ある視点部門に選ばれ、ある視点賞を受賞、東京国際映画祭サクラグランプリを受賞した。『アイカ(原題)』は2作目の長編劇映画で初のコンペ作品。モスクワで非合法に働いていたカザフスタンの娘アイカが妊娠、出産し、やむなく病院に置き去りにした我が子を捜し求める。

マルチェロ・フォンテ『ドッグマン(原題)』

原 題
DOGMAN
製作国
-
監 督
マッテオ・ガローネ
出 演
マルチェロ・フォンテ、エドゥアルド・ペッシェ、Adamo Dionisi
解 説
マッテオ・ガローネは68年ローマ生まれ。ナポリの巨大マフィア“カモラ”の末端で生きる人々をリアルに描いた『ゴモラ』と、TVのリアリティーショーに取り憑かれた男を描いた『リアリティー』で2度グランプリを受賞した。新作『ドッグマン(原題)』は、30年前に実際に起きた事件を元に、さびれた郊外の小さなトリミングサロンで犬の世話をしているマルチェロを主人公に、彼が溺愛する娘と、彼が隷従する悪名高い乱暴者の元ボクサーとの関係が破綻するまでを描く。主演はマルチェロ・フォンテ、エドゥアルド・ペッシェ。

アリーチェ・ロルヴァケル『ラザロのように幸福(原題)』

原 題
LAZZARO FELICE
製作国
-
監 督
アリーチェ・ロルヴァケル
出 演
アドリアーノ・タルディオーロ、セルジ・ロペス、ニコレッタ・ブラスキ、アルバ・ロルヴァケル
解 説
アリーチェ・ロルヴァケルは81年フィエゾレ生まれ。姉は女優のアルバ・ロルヴァケル。トリノ大学で文学と哲学を、ホールデン・スクールで脚本を学んだ。05年からドキュメンタリーを撮り始め、11年に長編デビュー作『天空のからだ』がカンヌの監督週間に選ばれ、注目された。14年に、ドイツ人の養蜂家の父親をモデルに、子供の頃の思い出を映画化した2作目の『夏をゆく人々』をコンペに出品し、見事グランプリ受賞。『ラザロのように幸福(原題)』は3作目で、純朴な若き農夫ラザロとタンクレディをめぐる時を超えた友情を描いたもの。主演はアドリアーノ・タルディオーロ、他にセルジ・ロペス、ニコレッタ・ブラスキ、アルバ・ロルヴァケルらが出演。

ジャファル・パナヒ、Nader SAEIVAR『3つの顔(原題)』

原 題
THREE FACES
製作国
-
監 督
ジャファル・パナヒ
出 演
-
解 説
ジャファル・パナヒは60年生まれ。短編映画を撮りながら、アッバス・キアロスタミの助監督を務め、95年にキアロスタミ脚本の『白い風船』で長編デビューし、カンヌ映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞した。その後、00年に『チャドルと生きる』でヴェネツィア映画祭金獅子賞、06年『オフサイド・ガールズ』でベルリン映画祭審査員特別賞。10年にパナヒを始めとする映画監督や文化人が当局に拘束される事件が起き、世界の映画人を中心に釈放運動が起きた。その際カンヌがパナヒが国外に脱出する機会を作るために招待状を送ったという経緯がある。結果的にパナヒは20年間の映画製作禁止を言い渡されるが、11年に『これは映画ではない』を発表して気概を示した。13年に『閉じたカーテン』でベルリン映画祭脚本賞、15年『人生タクシー』でベルリン映画祭金熊賞を受賞。『3つの顔(原題)』は待望の新作で、カンヌのコンペ初出品作。今年パルム・ドールを受賞すると世界の三大映画祭制覇という偉業を達成する。

『カペナウム(原題)』ナディーン・ラバキー監督

原 題
CAPERNAUM
製作国
-
監 督
ナディーン・ラバキー
出 演
-
解 説
ナディーン・ラバキーは74年レバノンのベイルート生まれ。98年、大学在学中に撮った短編映画がパリのアラブ世界研究所が主催したアラブ映画ビエンナーレで1位となり、カンヌ映画祭のレジデンス制度を利用して書いた初監督主演作『キャラメル』が07年カンヌの監督週間で上映され、世界的に注目を集めた。『カペナウム(原題)』は、中東の漁村で生きる子供を通して社会の不公正さを問いかける問題作。カペナウムとは新約聖書に登場する町の名で、現在はイスラエルにある。ラバキーはアラブ世界を代表する女性監督であり、コンペ初登場でパルムの最有力候補だ。

『GIRL(原題)』Lukas DHONT監督

原 題
GIRL
監 督
Lukas DHONT
出 演
Valentijn Dhaenens

『ALL THESE CREATURES(原題)』

原 題
ALL THESE CREATURES
監 督
Charles WILLIAM
出 演
-

『イメージの本(原題)』ジャン=リュック・ゴダール

原 題
THE IMAGE BOOK
製作国
-
監 督
ジャン=リュック・ゴダール
出 演
-
解 説
今年はパリ5月革命のあおりで映画祭が中止になった68年から50年周年にあたり、映画祭を中止させた側であるゴダールがコンペに登場するのは映画と映画祭の流れを批評するうえでも意義がある。『イメージの本(原題)』は14年に審査員賞を受賞した『さらば、愛の言葉よ』以来の長編で、5つのストーリーからなる。今年88歳になり、すでに映画の歴史となった感のあるゴダールだが、誰よりも革新的な映画のあり方を示してくれるだろう。